北海道檜山北高等学校
 

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校長日誌

校長日誌
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2023/03/30

お世話になりました。

| by hiyamakta_s
この度檜山北高校をもって退職します。高校教員として38年間全道を駆け巡る中で、この檜山北高校での最後の2年間の経験は、とても思い出深いものになりました。全国一と言えるくらい素直な生徒達、協力的な保護者と地域社会。コロナ禍でなければ、さらにどれだけ思い出があったことでしょう。この学校に赴任できて感謝に耐えません。未来永劫、フロンティアスピリットの宿る地に立つこの檜山北高校の理念が、地域社会の皆様方の希望と共に有り続けますよう祈念申し上げ最後のご挨拶とします。今後とも皆様方のご支援を宜しくお願い致します。2年間大変お世話になりました。

19:57
2023/03/27

3月24日全校集会校長講話

| by hiyamakta_s
3月24日(金)全校集会があり終了式で校長講話を行いました。

タイトルは「困難の克服」。

順調な成長を妨げる要因については色々なものがあるでしょうが、日本の生徒は海外の生徒に比べ自己肯定感が低いデータがあるので、一度そのことに焦点を絞って話しをしようと思っていました。

自分の美しさに気が付くという視点で、DoveのYouTube宣伝動画を最初に見せて、
https://www.youtube.com/watch?v=E8-XKIY5gRo
以下のような話しをしました。

誰でも美しいところは持っています。しかし、自分はダメだと思って鏡を見てもダメな自分しか映りません。でも、皆さんの美しい表情は、普段の生活の中で周りの人が見て知っています。ダメという気持ちを持たずに自分を見てみてください。自分の美しさに是非気がついて欲しいと思います。

先生方は普段、勉強頑張れとか、部活頑張れとか、言っていますが、それは皆さんの目標に対して何をすべきか言っているだけです。皆さんの存在自体はそういうことなしに、素晴らしいのです。頭がいいからだとか、運動がよくできるからだとか、かっこいいからだとか、心がやさしいからだとか、そんな理由なしにです。地球が無生物の状態から何十億年もかかって、皆さんの体は創られました。生きていること以外に、様々なことを皆さんはできるのです。是非その素晴らしさを、自信を持って、活かしていって欲しいと思います。

勿論、色んな障害はあります。悩んでいることがあって心が痛んでいる時はなかなか前向きになれません。しかし、あまりそのことばかりに捕らわれていると、益々自分の傷を拡げてしまうこともあります。嫌なことがあったら、それは一旦自分の横に置いておいて、それでもいいことがあると希望を持つことが大事かなと思います。

悩みなど無くても、単にやる気がでないことはあります。それはやるべきかどうかで考えて下さい。やるべきだと思ったら、次にやる意思を持って下さい。言葉の辞典で、意思はやろうと思うこと。意志はやろうとする意欲だそうです。最初から意欲は持てないかもしれません。しかし思うだけなら誰でも可能です。まずやろうと思い実行して下さい。

またやっても、うまくいかないこともあります。でも失敗は成功に繋がります。失敗は反省。やらないことは後悔と覚えて下さい。やること自体が自分の力になります。仮に全部忘れてもです。やることが、ありすぎて大変だと思ったら、その1/10でも1/100でもいいので、やり始めて続けて下さい。そして人と比べる必要はありません。自分が続けて成長しているなら、その時点で劣っていても問題ありません。続けていれば、そのうち何処にでもたどり着きます。続けて自信が付けば、やがて意欲に変わるかも知れません。

4月からは色んな行事がコロナ前の状態に復活しそうです。学年が一つ増える機会に、あらためて「OneUp」一歩一歩が自分の生活習慣になっているかどうか振り返り、色んな場面で力を蓄えながら、どんどん自信をつけていって欲しいと思います。春休みも大切に。次年度の活躍に期待します。


18:37
2023/03/04

卒業式式辞

| by hiyamakta_s
卒業式は実施し、コロナ対策は縮減しましたが、完全になくすことはできず、今年度も式辞は省略形で行いました。本来式辞で伝えるべきだったことを、祝言集「餞の言葉」に記載して卒業生に配布し、前日の全校集会でその内容について解説しました。両方の内容について記載します。

<3月1日卒業式式辞>
厳しい寒気も次第に落ち着く中、この静寂な丹羽の大地にも鳥たちのさえずりがにわかに増え始め、私達の檜山北高校に希望の巣立ちの時が訪れました。
この佳き日に、PTA会長 村瀬 一人 様、保護者の皆様方のご参列を賜り、北海道檜山北高等学校第五十一回卒業証書授与式を挙行できますことに対し、衷心より感謝申し上げます。

卒業証書を授与されました四十五名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。

皆さんの高校生活は入学して間もなくのコロナ対策から、3年間それと関わらざるを得ない状況でした。しかし、皆さんはそれに決して屈すること無く、誰からも教えてもらえない、誰も通ったことの無い多くの道を歩み、それを乗り越え、できることを形や行動に表してきました。皆さんのその姿勢は学校全体を盛り上げる、暖かい雰囲気を作ってくれたと思います。それは皆さんのとても素晴らしかった所であり、後輩達に示す輝かしい姿でした。「練心大望」の校訓の下、何事も直向き前向きに努力を重ね、三年間に渡る本校の教育課程の全てを修了したこと、大いに誇りにして下さい。

印刷物の式辞に、新しいスタート、輝かしい未来に向けて、檜山北高で学んだ生徒には、これからも大切に磨いて欲しい3つの心構えについて述べました。それは「学び続ける」「結びつきを大切に」「当事者意識を持つ」です。
変化の激しい時代を迎えるにあたり、進むべき道は決して平坦ではありません。3つの心構えは、きっと皆さんの人生の使命、それを後押ししてくれるものと確信します。

フランスの哲学者アランは「どんな職業も自分が支配している限りは愉快であり、自分が服従している限りは不愉快である。」と言っています。
どんな困難な状況でも、受け身では無く愉快に学ぶことを続け、羽根を広げて多くの人・事柄と結びつき、当事者となって社会を支え、生き甲斐のある人生を邁進して頂きたいと思います。
皆さんの人生を描き出すのは皆さん自身です。皆さんには素晴らしい未来が開かれると信じています。

結びになりますが、保護者の皆様方には、お子様の晴れの門出をお喜び申し上げますとともに、この間、本校の教育活動にご理解・ご協力をいただきましたことに厚くお礼申し上げます。本校が、第五十一回卒業生を送り出せることを、せたな・今金両町及び本校関係者の皆様方に改めて感謝申し上げ、式辞といたします。

令和五年三月一日
  北海道檜山北高等学校長  佐 藤   健

<餞の言葉>
卒業証書を授与されました四十五名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。

皆さんは今後、第四次産業革命と呼ばれる、インターネットと人工知能が中心となる社会で生活をしていくことになります。経済活動に加え様々なサービスや職業、人々の働き方、ライフスタイルもその影響を受け、必要なもの・サービスがきめ細かく与えられる世界、「Society5.0」が到来するとされています。生活が便利になる反面、どんどん新しいことに対応する必要が生じ、いつも新しい答えを探し、答えがないと思っても答えを出し続けなければならないのです。そういった世界で必要とされる力とはどんなものでしょうか。新しいスタートに向け、檜山北高で学んだ生徒には是非3つの事を心構えとして、これからも大切に磨いていって欲しいと思います。それは「学び続ける」「結びつきを大切に」「当事者意識を持つ」です。

1つ目「学び続ける」は自分自身を成長させるように、努力を続けるということです。変化の激しい社会では、常に経験したことのない新しい物事が周りで起こり、それに自分を慣らしていく必要があります。まず、それがどのようなものであるかを理解し、次に対応するためにどうすればいいか考え、さらに考えたことを試しながら、次第にうまくできるようになる工夫を見出すことが大切です。最初に手っ取り早いのは、人が既にしていることを参考に真似をしてみることです。しかし、それでうまくいかなければ、それに捕らわれる必要はありません。たとえ、人より効率の悪いやり方でも、それで自分が少しでもできるようになるなら、それが自分のやり方です。自分を飛び越して何かを為すことはできません。しかし、少しずつ積み重なっていくものがあるなら、いつか偉大な力を手に入れることができるはずです。勿論、簡単ではないこともありますが、諦めないことです。日本ハムファイターズ新庄監督も「自分に勝つなら、人に負けても問題ない。」と言っています。人に勝っても自分に負けるなら、その人自身は成長しません。しかし、人に負けても自分と戦い続けるなら、いつか勝つこともできるのです。将来就く皆さんの仕事も、ただ同じ事の繰り返しでなく、工夫するということに進歩があります。既にワンナップOne-Upをキャッチフレーズに、自分自身の可能性を積み重ねてきた皆さんですので、社会でも学び続ける心を忘れないで下さい。

2つ目「結びつきを大切に」とは、人との結びつきと知識の結びつき両方を指します。いずれも、その結びつきの範囲が拡がれば拡がるほど、自分の視野が大きくなり、人の結びつきからは何かを教えて貰ったり、支援して貰ったり、知識の結びつきからは理解が深まったり、ヒントを得られたり、いずれも社会で問題を解決していくための大きな助けになります。人は普段自分と関わりないと思っても、助けが必要な時は色々親身になってくれる人がいるものです。ただし、そのためには普段自分がどんな状態かきちんと説明できるということ、また相手がどんな状態であるか理解してあげるコミュニケーションが大切です。人付き合いが苦手な人も、最低限のコミュニケーションの挨拶だけは周囲としっかり取っていってもらいたいと思います。いざという時お世話になると思います。また知識の結びつきは、新しい発想、創造に繋がります。いつ何がどう結び付いて、それが起きるか分かりません。知っていることがあればある程可能性は高くなりますが、全てを知るというわけにはいきません。自分が興味を持っていること関心があることは、それらを知っていることが自分の役割だと思って、積極的に情報収集して研究しましょう。元アップル社のCEOスティーブジョブスは「創造性とは物事を結びつけることに過ぎない。」と言いました。発明は一部の天才にしかできないが、知っていることを結びつけることは大抵の人にはできます。知識を大切に増やし、それを結びつけ新たな価値の創造に貢献して下さい。

3つ目「当事者意識を持つ」とは、物事を自分の責任で行うということ、つまり、人任せにせず自分で最良の方法を考えながら最善を尽くすと言うことです。10人中1人が当事者意識を持っているが、他は持っていないとすると、この組織は9人が指示待ちで、1人分のアイディアしか活かせません。アイディアは1人で悩んでいてもなかなか出てきません。しかし、10人全員が当事者意識を持てば一番いいアイディアの質が変わってきますし、10人分のアイディアを組み合わせることも可能です。日本は民主主義国家であり、一人一人の当事者意識が活かされる国家です。高校卒業後は全員成人となる最初の年次として、皆さん一人一人にかかる期待はとても大きいです。活き活きしたウェルビーングな社会では、多様性が尊重されていると言われています。当然、個々の対立はありますが、それぞれが有利不利になる利害関係は、全員が納得できる目標を作り、その目標に対してどうあるべきかを考え、全員がOKを出せるまで対話で調整して下さい。キャリア学習で学んだKJ法やブレインストーミングなど、集団の考えをまとめる力を大いに役立てて欲しいと思います。そして「誰一人置き去りにしない」、持続可能な社会、「SDGs」な社会の実現のため、一人一人が大切な役割を果たしていって欲しいと思います。

四月からは、在校生諸君が先輩の思いを受け継ぎながら、檜山北高校の新たなページを刻むこととなります。卒業生の皆さんには、後輩の活躍を見守り、また多くの援助を頂きお世話になったせたな・今金両町に対し感謝の気持ちを忘れず、様々な立場から学び育ったふるさとに励ましのエールを送って欲しいと思います。

結びになりますが、保護者の皆様方には、お子様の晴れの門出をお喜び申し上げますとともに、この間、本校の教育活動にご理解・ご協力をいただきましたことに厚くお礼申し上げ式辞といたします。

令和五年三月一日
    北海道檜山北高等学校長  佐 藤   健

12:21
2023/03/04

「やっと皆で歌えたね」感動の卒業式

| by hiyamakta_s
3月1日は道立高校の卒業式。

新聞で報道の通り、マスクが式内だけ自由となりましたが、最初の国歌や最後の校歌の歌唱では着用しなくてはならないこともあるのか、付けていない生徒はいません。式辞、送辞、答辞の担当だけ、はずして話しました。3年間付けっぱなしの生活で今さらね。代表生徒だけ外して話ししていました。

制限解除で一番嬉しかったのは校歌斉唱。3年間で皆で歌うのは最初で最後。家庭学習期間入ってからの制限解除だったので、練習する時間が無く、歌詞カード見ながらの斉唱も皆一生懸命歌いとても感慨深いものでした。これはこれで深い思い出ですね。

3年間コロナ対策の生活ばっかりだったけど、与えられた条件下でも立派に頑張り通した卒業生。皆、誉めても誉めきれない生徒達だった。本当に卒業おめでとう!君達の校長で幸せだったよ。

校長からの贈り物で、50周年も記念し、校舎風景の絵画を生徒玄関に飾らせていただきました。テーマは「フロンティアスピリットの宿る地に立つ」。ここで学んだことをずっと誇りにして欲しい、という意味を込めて描きました。式に間に合わなくて申し訳なかったけど、後ほど絵の写真も送付させていただきます。


11:08
2023/01/20

「AI社会と挑戦」 冬季休業明け全校集会 

| by hiyamakta_s
 皆様あけましておめでとうございます。今年度もよろしくお願いします。
冬季休業中、生徒は大きな事故無く過ごしてくれました。新型コロナについては一人濃厚接触者が出ていた状況でした。ご家庭でのご指導ありがとうございました。
 さて、1月13日例年より早い始業日となり、休業中も出張等で色々忙しくなかなか本をじっくり読む機会もありませんでした。休業明け全校集会では校長講話でよくある、社会を見つめて自分たちの取るべき行動という視点から話しを始めました。

 札幌の出張では、北大の副学長の長谷山 美紀 教授の人工知能AIの話しを聞いてきました。AIは今ではいろんな所で使われているということでした。土木現業所と連携して道路の点検をAIがやるようになったり、ニトリと提携して例えば「コロナ禍における店舗省人化」を一緒に研究したりしようとしている。大学も今や官公署や民間企業と連携して、社会の課題解決を果たしていくのは当然の時代となりました。また、データサイエンスやプログラミングはこれからの社会を変革する大きな武器となるということですが、残念ながら日本は今大きく遅れています。
 現在、学校もSTEAM教育をやりなさいとされています。(Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学・ものづくり)、Art(アートだけでなく経済・政治など広く社会現象を示す)、Mathematics(数学)の5つの単語の頭文字を組み合わせた教育概念です。)社会の問題を、特定の科目ではなく、理数系を含めて色んな教科の知識を横断的に使って問題解決し、社会で活躍する力を育成させるという教育です。教科横断的な教育活動は、本校では既にキャリアの時間等を使って実施されていますが、もし私の話を聞いて、プログラマーになりたいと思った生徒がいたら是非挑戦してみて下さいと伝えました。
 以下後半の話。この後予餞会、卒業式と行事があるけど、それ以外は特に大きな行事はない時期です。特に何もありませんという時期に、目標持っている人は一番時間を使えるわけだから、是非大事に活用して欲しいと話しました。
 とはいえ、順調にいくこともあるし、いかないこともある。いかないなら、いかないことも経験し、それがあって、次にどうしたらいいかというステップに進めるので、そういう意味でも失敗は恐れないで常にチャレンジください。
 最近精神科医の樺沢紫苑さんの「言語化の魔力」という本を読みました。YouTubeでもメンタルケアについて何十という動画を無料でどんどん配信している人です。「ネガティブな言葉は言っていいか?」という質問に対し、良くないと思っている人がいるが精神科医としてはOK。ネガティブ1、ポジティブ3位のバランスで正常。ネガティブを0にする必要はない。生きてる限り悩みがある。まず原因を言葉にする、言語化する。まず、そうしないと解決しようがない。ただし原因はなくせない。例えばテストで悩んでいてもテストはなくせない。原因をなくす以外の手段は何か考える。手段が見つかったら、それを100%やろうと無理をしない。やるべき手段が10あるならそれを一気に0にしようとするのではなく、9にするところから始めよう。手段が分からないから人はどうしようと悩む。でも、解決するための手段は意外にあるはずだから、調べたり人に相談するなりして考えてみる。勉強に関して言うと、私の高校時代の先生はまず机に座ってみる、それで半分終わったようなもんだと言っていましたが同じ事を言っていたのだと思います。
 これから3年生は、受験で残った期間を入試のために、進路が決まった人はこれからの準備に充てて下さい。何をするかわからなければ、読書を勧めます。1・2年生は目標に向けて蓄えるべきことを、できるだけ蓄えて充実した時間を過ごして欲しいと思います。

11:58
2022/12/22

「リスペクト」 冬季休業前全校集会

| by hiyamakta_s
 今年は50周年など色々な事がありました。新型コロナウイルスも勢いが止まらない中、学校祭、体育祭、上級学校訪問、見学旅行、進路活動等、生徒一人一人がそれぞれのハードルを乗り越えて、今全員で年末まで漕ぎ着こうとしています。冬休み中も事故ないように気をつけて、全員でまた良い年を迎え頑張りたいと思います。保護者の皆様、ご家庭での健康管理ありがとうございました。来年も引き続きよろしくお願いします。
 20日の冬季休業前全校集会では「リスペクト~多様性を尊重する社会へ」ということで話しをしました。
 日本でWell-being研究家の石川善樹さんのお話では、Well-being(いきいきと生きる)を実感するためには、社会的寛容の結果として多様性がどれだけあるかが重要ということです。多様性のためには色んな人達がいることが必要です。ところが、自殺者は日本全体では減っているのに、若い人の自殺はここ5年位で増えてきていて憂慮すべき事態です。
 まず、カウンセラーでネット友人でもあるやしろ恵利さんの著作「113日目のおつきさま」を題材に、命の大切さについて話しをしました。出産時の医療ミスにより新生児が意識不明の重症となり、母親と病院の懸命な看護と新生児の生命力の強さの様子を綴ったものがたりです。子どもが意識不明で触れることもままならない危険な状態であるが、お乳を飲むようになったり、うんちをするようになったり、体調が良いときはシャンプ-をしたり、そっと抱き上げたり、お母さんは世話をすることが増える度に喜びをひしひしと感じ、113日という短い期間ではあったが、お子さんに深い愛情を持って接している様子が痛いほど伝わってくる書籍です。母親の愛情、周囲の支え、そして個々の生命力の強さにより命は地上に繁栄します。命は大切にしていかなくてはならない。それをなくしたら、悲しむ人が必ずいるということを話しました。
 ここから多様化の話です。世界中の母親が子を守りもたらすものは、結果として人類の多様化であり、子どもがやがてそれぞれの個性や得意な能力で活躍することにより豊かな社会が実現します。しかし、多様化は必然的に異なる者同士のやりにくさをもたらし、偏見や違和感、感情的な対立を生み、いじめや嫌がらせ戦争などの争いに陥ることがあります。
 争いを避けるためには何が必要か?感情はその時点では変えることができません。好き嫌いは脳が感じることであり、そう感じるから悪いとか罰を与えるとかいう話ではありません。争うことは誰でも避けたいと思っており、そこは共通認識のはずです。従って、感情的にならず、知性でどうしたら争いを避けることができるかを考えることが肝要です。感情で考えるのではなく頭で理性で考えるのです。全員の命が大切という認識で、寛容に互いに必要な存在と認め尊重し合うことが人類には必要で、それがリスペクトの精神です。ワールドカップサッカーで日本と戦ったクロアチアが、ユニフォームに日本の国旗を上位にプリントして試合をしていたことは、リスペクトの表れであることを紹介しました。
 檜山北高生は先日の学習成果発表会で、それぞれが全体を良くしようとする雰囲気が表れていると来校者からの評価があったことを伝え、個々の対立はあっても全体としてはリスペクトできている、それが伝統となるよう続けて欲しいと話しました。
 最後に道教委の相談窓口の紹介とやしろ恵利さんから頂いたメッセージを読んでもらい話しを閉じました。やしろさんお忙しい中、生徒達のためにどうもありがとうございました。
 皆様、今年1年間大変お世話になりました。良いお年をお迎えください。

16:53
2022/11/25

コロナ禍の見学旅行

| by hiyamakta_s
 見学旅行は11月1日(火)出発で4日(金)までの3泊4日でした。今年の見学旅行は3年ぶりの関西旅行で生徒はとても楽しみにしていましたが、残念ながら10月は感染者が昨年度のような減少傾向にあるとはいえず3年生も進路活動がある等、学級閉鎖等の措置になると行事が成り立たないため、全校生徒にはくれぐれも感染対策を怠ることがないよう呼びかけていました。生徒は見事それを果たしてくれ、2年次も無事見学旅行に出発することができましたが、出発と同時に校内では感染が1件の発生から次々と拡がってしまいました。結果としては、見学旅行出発で生徒の数を分散できたことは、拡がりを防ぐ効果にはなったと思います。しかし、見学旅行中1年次は学年閉鎖となり、見学旅行団の旅先では制限解除による旅行者の人混みからの感染が懸念されました。しかし、幸い旅行団には旅行中に感染発症者はおらず旅程に影響はありませんでしたが、帰還後に若干名の感染者が出ました。
 最終的に11月は感染者が十数名、濃厚接触者が二十数名に上り、中旬に感染者数のピークとなり、現在は感染者も濃厚接触者も若干名となっています。この間、迅速な情報提供とご家庭での感染対策の徹底にご協力いただいた皆様方に、感謝申し上げます。
 見学旅行の様子はトップページでご存じと思いますが、特にUSJが大混雑でした。食事場所も並んで相当待たなくてはならないし、近くにいた人はいつもの3倍いると言っていました。旅行前に韓国の人混み事故の話しもしたので、生徒も相当注意してくれたと思います。2日目の広島での被爆者体験講話はとても心に残る内容でした。語り部の方は爆心地のすぐ近くの学校にいたが、幸い命は取り留めた。ガラスの上を裸足で歩き母親にやっと会えたこと、病院に行っても診てもらえなかったこと、祖母を探す途中水をあげようとした人が亡くなりそこで怒られたことがトラウマとなりずっと人に伝えられなかったこと、などをお話しされ原爆の恐ろしさと世界平和を願う気持ちの大切さを、生徒はひしひしと感じていたようでした。生徒にとって発見や教訓が大いにある見学旅行だったと思います。
 さて、来月は今年度のキャリア教育の総まとめとなる「学習成果発表会」があります。まだまだ、感染は油断できませんが成功裏に終わらせたいと思います。引き続き感染対策にご協力をお願いします。
   (凄い人混みのUSJ)           (被爆者体講話)
17:40
2022/10/20

50周年記念式典無事終了しました

| by hiyamakta_s
 10月9日は50周年記念式典でした。
 来賓(指導監、局長、両町長・教育長、北部地区小中高校長、学校評議員、振興会役員)、感謝状贈呈者(歴代校長、歴代PTA会長、永年勤続旧職員)、記念誌寄稿者、旧職員、協賛会等の皆様のご参列をいただき、無事終了いたしました。この場を借りて、深くお礼申し上げます。以下、校長式辞で次のように述べさせて頂きました。(コロナ禍による時間短縮のため通常の半分以下の文量となっております。)

 式  辞
 さわやかな秋空の下、本日ここに北海道教育庁教育指導監 佐藤裕之 様、檜山教育局長 近藤史郎 様、せたな町長 高橋貞光 様、今金町長 外崎秀人 様を始め、多数の皆様のご臨席を賜り、北海道檜山北高等学校開校50周年記念式典を盛大に挙行できますことは、私達の喜びとするところです。
 本校は昭和47年4月、今金高校と北檜山高校との道内初の統合高校として開校し、半世紀に渡り地域の担い手となる人材の育成に取り組んで参りました。その間、様々な困難に遭遇しましたが、その時々の教職員の教育にかける情熱、良識ある檜山北高生の純粋な向学心と理性的な行動、そしてせたな今金両町と、保護者、同窓会、地域社会からの多大なご支援・ご声援が困難を乗り越え、平成25年度には全道教育実践表彰を受賞する大きな力となりました。
 平成14年度総合学科へ転科後も、農業生産物を地域の方々に還元したり、郷土料理や介護・保育の講師を地域から招いたりして、交流を深める等、開校以来、地元の産業と福祉を理解する活動を地道に継続してきたことは、本校の誇りとするところです。
 また、本校は平成27年度よりキャリア教育全体計画を策定し、その推進を図ってきました。今後の変化が激しいとされる世界では、多様な価値を問い直し、探究的な検討と協働的な創造の経験を通して、社会の中での生き方在り方について自覚を深めていくことが必要となります。地元の官公署や企業の皆様方の多大なご協力の下に、社会に開かれた教育課程を実現できますことは、本校の大きな強みであります。
 さて生徒の皆さんは、ここ数年コロナ禍で前例の無い道に挑み、打ち勝ってきました。多くの先輩達が努力に努力を重ね、価値ある伝統を築いて来たことに、今改めて感謝しつつ、皆さんも檜山北高校の歴史に共に参加し、歩んでいることを大いに誇りにして下さい。
 檜山北高校は広く社会に寄与する多くの人材を生み出した、せたな・今金の中にあり、開拓者達が憧れたフロンティアスピリットを大いに感じる土地に立っています。生徒・職員一同、今後も直面する様々な課題を乗り越え、生徒各々が持つ社会貢献の志を八穂の星の輝きとしていつまでも強く解き放ち続けるよう、次の時代を歩んで参ります。
 結びに本校開校50周年にあたり、多方面にわたり献身的なご尽力を頂きました関係各位と本日ご臨席いただきました皆様方に厚くお礼を申し上げます。今後とも本校への変わらぬご支援、ご鞭撻を賜りますよう心からお願い申し上げ式辞といたします。

 令和四年十月九日 北海道檜山北高等学校長 佐藤 健


11:07
2022/09/30

前期終業式

| by hiyamakta_s
 9月29日(木)は前期終業式でした。校長講話の内容です。
 今月はキャリア学習で色々な発表会がありました。将来活躍できる力がついたと思います。新執行部も立ち上がり新しい生徒会活動も始まりました。後期に向けて皆さんそれぞれ新しい気持ちで自分自身に期待を込めて、やりたいことに挑戦していって下さい。
 NHKの「最後の講義」という番組があって、人生最後だとして何を伝えたいかということをいろんな実力者を呼んで、若い人に話をしてもらうという番組があります。今日は東南アジアで医療活動をする吉岡秀人さんという人の話をしたいと思います。
 吉岡さんは30歳で一人でミャンマーに行き、全く医療の無いところで無償で医療活動を始めた人です。ミャンマーでお医者さんは吉岡さんただ一人。とても苦労されたようです。
 お医者さんなので当然沢山勉強されたと思いますが、高校時代は全く勉強しなかったそうです。自分が何をしたいか、どんな能力があるか、全くわからないまま生活していた。大学も浪人し予備校に行くのもギリギリで、5回目のテストでやっと入ることができたようです。予備校に入って、進路資料を見て、何故か医学部行けるかもと思ったようです。それを決めたときはとても不思議な感覚だったそうです。吉岡さんはそれを「感性の声」と呼んでいました。普段良いか悪いか考えて判断しているのは「理性の声」で、それは左脳しか使っていない。けれど「感性の声」は脳の全ての感覚、全脳を使っている、と吉岡さんは感じていて、とても大切で若い人には是非「感性の声を」大切にして欲しいと言っていました。
 突然の判断のようだけれども、少年時代に大坂万国博覧会で世界中の人が集まる傍らで戦争により手足を失って物乞いをしている元軍人さんの姿を見て、それが痛切に印象に残っていたのが影響していたのではないかと言っていました。子供ながら可哀想だという感情が強烈にあったのでしょう。ということで皆さんも今経験していることの、何が将来に影響を与えるか分かりません。心に残る経験は皆貴重だと思います。逆を言うと色々な事を経験できるように、自分で環境を作ることも必要と思います。
 ただ「感性の声」に従って努力するけれども目的が達成されない場合もあります。しかし、吉岡さんは本当の失敗は、目的が達成されないことではなく、やらないことだと言っています。目的が達成されなくても、実行していればそこに向かう志や努力や関係する友人などの様々なプロセス・経験が生じて、それが次のステップに繋がる。それを失うことの方がとても怖いことだと言っています。逆をいうとあまり結果は考えない方がいいかもしれない。やってみたいけど、理由がわからないとか、お金にならないからとか、あまりかっこよくないとか、そういうことが理由で漠然とやらないでいると、何も手に入らない、それはとてももったいないことだと言っています。
 ミャンマーには色んな難病を抱えた患者さんも来たそうです。頭蓋骨に穴が開いて脳が飛び出すような病気もある。ある少女の病気は鼻や口のまわりが凄い変形するものだったが、何とか手術で治した。助手はいない、夜2時間しか電気が付かないので、懐中電灯を持って貰って手術したそうです。少女がその後、結婚して子供を授かった時、吉岡さんに見せに来たそうです。多分手術していなければ、子供を見せに来ることはなかったろう。その時、吉岡さんは医者の目的がわかったそうです。「患者の人生の質を少しでも良くしてあげることだ」と気がついたそうです。時には本当に治らない病気がある、癌で顔半分が大きく垂れ下がっている少年は、もう末期で助からない、余命僅かだった。しかし、手術すれば家族で写真が撮れるかも知れない、幸福な思い出を作ることが出来るかも知れないと思い、すると人生の質が少しでも上がる。なんとか手術したかったけど本当に手遅れで手術することができなかった。しかし、吉岡さんは看護士さんが来るようになってから、その少年のところに行って励ますように頼んだそうです。雨期になると道が悪く、朝5時に出発して、帰りが夜の12時になるような訪問だったようです。「君はそれだけ、大切な存在だ」ということを教えてあげたかったそうです。そうやって患者の心が豊かになれば、生きている間だけではあるけど、その人の「人生の質」は上がると考えたそうです。
 「感性の声」に従って努力して、適わないこともあるけど、そうしたことによって次にやるべきステップが見えてくる。それはやらなければ決して見つからない。お医者さんの仕事は大変だけど、自分がやりたいからやっている。自分がやりたいことだからつらくても続けられる。しかし、それでも人の幸福に繋がるようなものでなければなかなか続けられない。でも、人は人の幸福の為に何かをしたいということは、皆生まれつき思っているものだ。だからそれを大切にし、行動を起こして自分の価値を知るべきだ、と吉岡さんはそう言っていました。
 人類が今平和なのか、平和でないのか、それをきちんと検証するためには、今の時代コンピューターが計算できるように数値化しなくてはならないんだけれども、そのためにどうしたらいいかということを、日本のWell-Being(生き生きと暮らすこと)を研究している石川善樹さんが仲間と考えた結果、それは「多様化」がどれだけあるかだという結論に至ったそうです。人種も文化も思想も色々多様化して存在するのが平和だというわけです。
 確かに世界を見ると争いが耐えない所は言論統制などが行われています。違う物を認めないということですね。今起きてる戦争もある国の言葉を使う住民に不利益を起こしているから、けしからんので領土を奪ってやるみないなことを言って始まっています。民族や思想など同じ種類の仲間で互いに励まし合って、生き甲斐を持つような関係はいいけど、他を否定するようなことになるととたんに争いになる。いじめなどもそうですねえ。グループが個人を仲間はずれにしていじめていることが多い。民族という本来は尊重されるべき言葉が、一歩間違うと危険な言葉になり得るのです。
 残念ながら世界は、多様性を受け入れることができない国が多い。日本は立派な民主国家と思うけど、たまに政治家でもうっかり日本はひとつの民族だと言っちゃう人もいますよね。それがうっかりレベルを超えると大変になる。完璧に多様性を認めている国の例は、シンガポールではないかということです。詳しいことは「13歳からの地政学」という本を是非読んでみて下さい。
 来月は50周年記念式典があります。北高のある場所は雄大な利別川の河川敷、南に遊楽部岳、北に狩場山を臨む素晴らしい環境の中に建っています。多くの開拓者が憧れた場所であり、荻野吟子さんはじめ社会に貢献する人材を輩出した地域の中にあります。
 皆さんも是非世界に目を向け、自分の「感性の声」に耳を傾けて行動起こして、社会に貢献したいという自分も見つけ、それを生き甲斐にしてもらいたいと思います。そしてそういう姿勢は、北高の先輩達が伝統・風土の中に守ってきたものにもあると感じていますので、是非それを皆さんの行動と共に未来に繋げていってもらいたいと思います。
 1年生2年生3年生は、これから上級学校訪問、見学旅行、就職・進学試験があります。引き続き感染対策には注意していけるように、全年次で取り組んでいきましょう。以上で終わります。


10:59
2022/08/30

健康に過ごしましょう!

| by hiyamakta_s
 夏季休業中8月上旬から感染・濃厚接触報告が数件入っていました。8月16日は檜山の感染者数も70名を超え、過去最高を更新しました。「BA.5」株はとても感染力の強い新型コロナウイルスです。注意し過ぎて損ということはありません。今は常日頃のしっかりした感染対策行動が必要な時期だと思います。進路や見学旅行の準備など大切な時期です。気の緩みの部分がないかどうか再確認をお願いします。
 さて、夏休み明け18日(木)の全校集会では、まず感染の注意、また道教委の新型コロナウイルス感染対策について、一部大きな変更があったことを連絡しました。主な変更点は濃厚接触者の待機期間の見直しで、1週間から5日間に短縮されました。でも、1週間は注意して経過観察が必要です。
 続いて1・2年生はこの後、3年生の進路への取り組みを見ておこう、3年生は面接対策で自分のPRをしっかりできるように準備しようという話しをして、前回の集会で出てきた森岡さんの就職面接体験談についてまた話題にしました。水産物を扱う企業を受験して魚愛を伝えようと思い、つい太平洋と日本海の鯖の見分けが付くと豪語してしまったが、最終面接でそんなことはできないことがばれてしまう。しかし、ゴメンナサイする人かどうか見られていると思いひるまずに体裁を整えたら、「君面白いね。その根性はいいよ。」と言われた。失敗しても逃げたりしないで、前向きに転ぶ。社会では経験しないで知らないことが一番役に立ちません。ひょんな展開で嘘を言う羽目になってしまったが、私は言葉としては出てこない、森岡さんの頑張って立て直す力・人間性の部分を面接官の人が直感してくれたのではないかと思っていると生徒に話しました。
 面接がこうした展開でいいかどうかは、職種によると思います。医学のような人の生命に係わる仕事では嘘は絶対にタブーになります。それでも、医学愛については多少オーバーな表現でもしっかり伝えるべきではないでしょうか?
 面接はほんの15分程度の事柄ですが頑張る気持ちがないと、そういう言葉だけで伝わりにくいことまでは伝わりません。用意したことをただ棒読みするのとは違うのです。短い時間で自分のことを全てPRできるようにするためには準備が必要です。しっかりと準備して、面接当日は頑張り通して来て欲しいと思います。
 これから3年生は進路の最終段階、1・2年生は力を蓄えていく、どちらも大事な時期になります。全てが順調に行くように、今後も健康・感染には十分注意して過ごして下さい。

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